世界史のなかの産業革命―資源・人的資本・グローバル経済― epubダウンロード無料
世界史のなかの産業革命―資源・人的資本・グローバル経済―
によって R・C・アレン
4.3 5つ星のうち(4人の読者)
世界史のなかの産業革命―資源・人的資本・グローバル経済― epubダウンロード無料 - 内容紹介 中国やインド、大陸ヨーロッパではなく、イギリスで産業革命が起こり得たのはなぜか? 食事、健康などの生活水準をもとに、世界史的な視野でその起源を捉えなおし、エネルギーなどの自然環境が果たした役割も視野に、産業革命の新たな全体像を示した決定版。 【書評】 ・『西洋史学』(第266号、2018年12月、評者:山本千映氏) ・『図書新聞』(第3353号、2018年6月2日付、評者:重富公生氏)“なぜほかならぬイギリスで最初に産業革命が起きたのかその背景や誘因、プロセスをあらためて体系的に論じた意欲的な著作” ・『週刊エコノミスト』(2018年2月6日号、評者:上川孝夫氏) “世界史的な視野で見る 産業革命が起きた背景" 「……… 本書にはグローバル規模の数量データに基づく分析があり、世界史的な視野から産業革命を捉え直す試みといえる。翻って現在、高度なIT(情報技術)が存在感を示す『第4次産業革命』は、どのように評価され、どのような道をたどると予想されるであろうか。時代は異なるが、世界最初の英国の産業革命から学ぶべきことは少なくない。」(2018年2月6日号『週刊エコノミスト』55頁) ・毎日新聞(2017年12月24日付、評者:鹿島茂氏) “高賃金国が成功した理由" 「……… 本書の結論はいかにも教訓的だ。21世紀においても産業革命は必ずや高賃金国から起こるはずである。ならば、人口減少で高賃金化必至の日本にも希望がなくはない。産業革命研究を大きく転換させるに十分な、目配りの行き届いた名著である。」(2017年12月24日付毎日新聞読書欄から) 内容(「BOOK」データベースより) 中国やインド、大陸ヨーロッパではなく、イギリスで産業革命が起こり得たのはなぜか?食事、健康などの生活水準をもとに、世界史的な視野でその起源を捉えなおし、エネルギーなどの自然環境が果たした役割も視野に、産業革命の新たな全体像を示した決定版。 商品の説明をすべて表示する
世界史のなかの産業革命―資源・人的資本・グローバル経済―の詳細
本のタイトル : 世界史のなかの産業革命―資源・人的資本・グローバル経済―
作者 : R・C・アレン
ISBN-10 : 4815808945
発売日 : 2017/12/18
カテゴリ : 本
ファイル名 : 世界史のなかの産業革命-資源-人的資本-グローバル経済.pdf
ファイルサイズ : 27.23 (現在のサーバー速度は21.2 Mbpsです
以下は 世界史のなかの産業革命―資源・人的資本・グローバル経済― の最も正直なレビューです。 この本を読んだり購入したりする場合は、これを検討してください。
本書は、アマゾンのおすすめメールで知り、“高賃金国が成功した理由”という毎日新聞の書評も見た。原題は、The British Industrial Revolution in Global Perspective。訳者解説によると、なぜ英国で、産業革命が起こったかという原因については、ずうっと活発な議論がなされてきたのだそうだ。その集大成ともいうべきなのが、このAllenの本に書かれていることらしい。もっとも、これで決着がついたわけではなく、議論は続いているらしい。ともかく、この本は決して読みやすい本ではない。一方で、図や表が豊富で、議論のためのもとになる材料はふんだんに用意されている。歴史学におけるデータアプローチとでもいうべきものらしい。少し長くなるが、目次は次のようになる。日本語版への序謝 辞第1章 前工業化経済と産業革命産業革命を説明する文化と経済——原因それとも結果か消費主義と勤勉結婚と子ども近代文化の成立産業革命への経済的アプローチヨーロッパ経済の変容 1500~1750年近世の拡大から産業革命へ第I部 工業化以前の経済第2章 前工業化イギリスの高賃金経済賃金と価格イギリスにおける賃金の収斂熟練労働者高賃金経済は生活の質にどのような意味を持つのか高賃金と経済成長第3章 農業革命マクロの視点——人々はどのように食料を供給されたのか農業労働者の1人当たり産出量なぜ産出量と生産性は上昇したのか囲い込みは産出量と生産性を上昇させたのか開放耕地農民はどのように農業の近代化を達成したのか農民たちはなぜ自分たちの農法を改良したのか結 論第4章 低価格エネルギー経済ロンドンの成長と石炭取引の興隆家庭用石炭暖房の方法北東部炭鉱地帯以外の石炭生産の増加世界を視野に入れたイギリスのエネルギーオランダの都市化と「木材危機」結 論第5章 なぜイギリスが成功したのか進歩と貧困のモデル19世紀への多様な経路イギリスが成功した要因含意するものとさらなる疑問補遺 近世経済の方程式第II部 産業革命第6章 なぜ産業革命はイギリスで起きたのかイギリス——高賃金で安価なエネルギー経済なぜイギリスの独特な賃金・価格構造が問題となるのか——労働を資本で代替するイギリスと中国にモデルを応用するイギリスとフランスにモデルを応用する——ピン工場の例第2段階——ミクロレベルの発明の流れ3つのマクロレベルの発明の歴史補 遺第7章 蒸気機関第1段階——ニューコメンのマクロレベルの発明第2段階——1世紀半にわたる改良蒸気機関の普及第8章 綿 業マクロレベルの技術革新、第1段階——ジェニー紡績機リチャード・アークライトの発明なぜフランスではないのかなぜフランスではなくてイギリスで紡績機械が発明されたのか第2段階——紡績機械の改良結 果補遺1 ジェニー紡績機の収益率補遺2 アークライト工場の収益率第9章 コークス溶鉱法マクロレベルの発明、第1段階——エイブラハム・ダービー1世の業績マクロレベルの発明、第2段階——コークス溶鉱鉄の競争力を高める発明、1720~55年1755~1850年までのマクロレベルの発明への一層の改良ヨーロッパ大陸におけるコークス溶鉱法の導入アメリカにおけるコークス溶鉱法の導入コークス溶鉱法はなぜイギリスで発明されたのか第10章 発明家、啓蒙主義そして人的資本産業的啓蒙主義重要な発明家に関する統計分析産業的啓蒙主義と実験長期的視点で見た産業的啓蒙主義経済的、社会的発展の水準産業革命の原因としての文化補遺 重要な発明家リスト第11章 産業革命から近代経済成長へ参考文献訳者解説図表一覧索 引結論だけを理解するなら、冒頭の「日本語版への序」と最後の方の「訳者解説」を読むとよい。毎日新聞の書評にもあったが、高賃金と安価なエネルギーが、Allenの示す解答だ。昨今のロボット議論を見てもわかるが、高賃金の方は、言われてみれば当然で、機械化することによってコストが下がるためには、高賃金でなければならない。「日本語版への序」でAllenは、日本の偉大なところは、低賃金下での機械化を成し遂げたところだと言っている。この高賃金は、英国の海洋帝国、貿易によってもたらされたという説明は、スペインやポルトガルと比較してどうだったか、もう少しチェックする必要があるだろう。安価なエネルギーとは、石炭のことで、溶鉱炉の話でも述べられているが、木炭との優位性がどのように築けるか、また一方では、家庭用暖房に石炭を用いることが需要の増大と価格低下への道を開いたとある。歴史が未来への指針だという観点では、この「高賃金と安価なエネルギー」というのは、日本にとって示唆に富む。ただし、これだけで十分なはずはないから、気をつけねばならないが。
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